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隣地境界線

【Q】隣地境界線について 投稿者:浅草

一応、アドバイザーという立場なのですが皆さんのアドバイスを伺いたいのです。とあるマンションの理事長から下記の質問を受けました。@マンションの隣地所有者から測量事務所を通じて境界線の立会い依頼があった。しかし、測量事務所から組合員全員での立会いは事実上難しいので、代表者である理事長に立合って欲しい。A測量事務所から組合に対して、理事長が立会いすればよい旨の規約を設定して欲しい、または、そのように規約を変更して欲しい、との要請があった。     この手のことはよく分かりませんが、何か腑に落ちません。アドバイスお願いいたします。

【A】Re.隣地境界線について  投稿者:TMS

当方、マンション管理士兼土地家屋調査士ですので参考意見を述べさせて下さい。

結論から言いますと境界立会についてはできるだけ協力的に対応することお勧めします。境界を立会する作業は元々存在する境界線を確認することであり、損得で考えることではありません。測量業者も依頼者に有利に取り計らうことよりも中立の立場をとりお互い納得のうえスムーズに境界確認が進むように対応するはずです。

実務上法務局、役所等の出来るだけ多くの資料を参考にして道路の対面や隣地の間口等を広く測量します。地上屋が少しでも自分が得するようにあなたの土地をよこせと言っているのとは全然違います。現地に境界標が有れば確認もスムーズですが古いマンションの場合、それが無いことが多いです。

マンション敷地の場合、施工前に測量、境界確認、境界標設置をするのが通常ですが、現在それが無いとしたら道路工事で取られたか、隣地の開発時に取られたか、それとも境界標が地中深くに有るかもしれません。

実際に測量しますと、古いマンションの場合、売主業者が完成後に境界標を復元せずに区分所有者に引き渡したと思われる現場も多々あります。いづれにしても今更誰の責任にもできません。

マンション側が境界確認を承諾しない場合ですが、隣地の測量目的が分筆登記であれば、登記ができない可能性が高いです。その結果、お隣さんは今後の計画がストップか変更しなければならず経済的ロスが発生します。マンション側には今すぐにはデメリットはありません。

しかし、将来、境界付近の塀やマンション自体の建替時にマンション側から測量して隣地に境界立会をお願いした場合、隣地の立会を拒否されたり、工事に反対されるなどの仕返しをされることも十分考えられます。境界の恨みは何十年も後まで続きます。

もうひとつの考え方として、お隣さんの費用負担で測量して境界標まで設置してくれるのですからこんな好都合なことはありません。通常、境界確定測量や分筆登記には数十万円の費用がかかります。今この機会に境界を明確にできればお互いにメリットがあります。

立会時ですが、マンション側からマンション管理士や土地家屋調査士、測量士等の有識者を同行させて立会するのは測量する側としては歓迎です。そのほうが説明も理解してもらいやすいからです。区分所有者にそのような詳しい者がいたらぜひ一緒に立会ってもらうとよいでしょう。

あと、登記簿の面積は最低面積を保証するものではなく、登記所の地積測量図についても年代によってはかなり誤差があり最低の数値を保証したものでもありません。その意味でも損得で考える事ではありません。

規約変更の件ですが、調査士が登記所(法務局)の登記官に事前相談した結果の答えである可能性があります。その登記官はマンション管理や境界立会業務を良く知らなくてお堅い、悪くいえば融通のきかない人かもしれません。表示に関する登記については登記官の裁量に任せるところがあり、登記官によって判断が違うことがあります。

過去に私は、理事長からサインと認印をいただき隣地を分筆したことがあります。立会時にその理事長は理事会で話合うと言っていました。

境界の確認は保存行為と私は考えますので、理事会の判断でもいいとかとは思いますが臨時総会を開くかは各管理組合の実情に合わせて判断して下さい。

臨時総会を開催した場合は、その境界確認を承諾する、しないの採決より、境界立会・確認の行為を理事長または理事会に委任する、しないの採決をとった方がいいと思います。

全員の承諾を前提に採決をとった場合、全員の賛成にはならない可能性が非常に高く、自ら自己のマンション敷地の境界を否定した形になり、結果的に資産価値を下げてしまうことになります。

マンション管理士であれば、管理組合に対して、常識的な判断の元に境界立会・確認にできるだけ協力する方向で助言すべきだと私は考えます。